いつになく長く続く雨空…そんな中にもちらほらとお日様が顔をのぞかせる日が見られるようになり、それを待っていましたとばかりにセミの声が聞かれるようになって参りました。
“都会はコンクリートばかりで自然が少ないのだろうな”
…田舎育ちの私自身もこの園に勤め始めの頃そう思っておりましたが、実際目を凝らしてみると思いのほかたくさんの木々草花、鳥、虫、魚と出会うことができ、自然のたくましさと都市環境デザインの技巧を肌で感じさせられます。
昆虫は最も身近で多く見られる野生の生き物です。
中でもセミはどこでも出会え、かなり大きく、さらに鳴く、触っても遠目に見るだけでも存在感バツグンという貴重な虫です。
子どもたちも公園でセミの抜け殻をみつけると興味津々!中には大切そうに持ち帰るお友達もいます。
まさに自然からのプレゼント。くりくりした目玉の可愛さや、ブローチのように服にくっつけられる不思議を味わっています。
昆虫は好き・苦手が分かれるものです。どちらの気持ちでもいいんだよ、ということを子どもたちに伝えています。
「怖いと思って大正解!虫は人間や、虫を食べる鳥に触られたくないからなるべく怖いよ?近づきたくないよ?って思われる形をしているものもいるんだよ」
「大人でも、虫が怖いって思う人はいるんだよ。だから『見たいな、楽しいな』と思っている人同士で見ると、虫が好きな人も苦手な人もどちらも気持ちよく遊べるね」
「触りたいときは触っていいか調べてから優しくツンツンしてみよう。《危険》の赤いマークは触っちゃだめって意味だね」
「図鑑で同じ形のものを探してみよう。色や大きさの違う、似てるものがいるね」
ひとつの出会いで様々に学びは生まれます。昆虫との出会いを、その不思議や互いの多様性を知っていくきっかけとしていければと思います。
☆愛の園ではモンシロチョウの幼虫の成長を見届けたり、キアゲハの羽化を見送ったり、道端で出会ったツマグロヒョウモンやスズメガの幼虫と触れ合ったりしました。
☆8月初旬は例年通りであればアブラゼミとミンミンゼミの羽化のピークです。身近な公園でもコンクリートではない地面であれば、思いのほかたくさんの幼虫たちが穴から顔を出し、大人になる姿を見ることができます。(園のそばにある宮本公園、お茶の水公園もたくさんの羽化前の幼虫が木々や柵、コンクリートの壁を目指し歩く様子が見られます)
現代は人工照明の影響か、公園では19?20時という比較的小さなお子さまにも見てもらいやすい時間にも羽化がたくさん見られます。
初旬であればピークは何日か続きますので、下見をし、蚊と暑さの対策を十分行った上で是非自然の営みをご覧ください。